プロンプトエンジニアリング実践ガイド

高度なプロンプト技術

この章では、より複雑なタスクに対応するための高度なプロンプト技術を学びます。

1. Zero-shotプロンプティング

Zero-shotプロンプティングは、例示なしで直接タスクを実行する手法です。

基本的なZero-shot

以下の文章を「ポジティブ」「ネガティブ」「中立」のいずれかに分類してください:

テキスト:この映画は普通でした。
感情:

Zero-shotの限界

  • 複雑なタスクでは精度が低下

  • 文脈理解が必要な場合は不適切

  • 特殊な知識が必要な場合は不向き

2. Few-shotプロンプティング

Few-shotプロンプティングは、少数の例を示してタスクを実行する手法です。

基本的なFew-shot

Few-shotの効果的な使用法

  1. 適切な例の選択

    • タスクを代表する例

    • バランスの取れた例

    • 明確な対応関係

  2. フォーマットの一貫性

    • 統一された形式

    • 明確な区切り

    • 一貫したラベル付け

3. Chain-of-Thought(CoT)プロンプティング

CoTは、推論過程を段階的に示す手法です。

基本的なCoT

Zero-shot CoT

複雑な問題に対して「一歩ずつ考えていきましょう」という指示を加えることで、モデルの推論能力を引き出します。

4. 自己整合性(Self-Consistency)

複数の推論パスを生成し、最も一貫性のある答えを選択する手法です。

実装手順

  1. 同じ問題に対して複数の推論を生成

  2. 各推論パスから答えを抽出

  3. 最も頻出する答えを採用

例:数学の問題解決

5. 知識生成プロンプティング

タスク実行前に関連知識を生成し、それを活用する手法です。

手順

  1. 知識生成

  2. 知識の統合

プロンプト最適化のベストプラクティス

  1. タスクの分解

    • 複雑な問題を小さなステップに分割

    • 各ステップの目的を明確化

    • 段階的な指示の提供

  2. コンテキストの最適化

    • 必要十分な情報の提供

    • 関連する例の適切な選択

    • 明確な制約条件の設定

  3. フィードバックの活用

    • 結果の評価と分析

    • プロンプトの継続的な改善

    • エラーパターンの特定と対応

まとめ

高度なプロンプト技術を使いこなすことで、より複雑なタスクや精度の要求される場面でも適切な結果を得ることができます。状況に応じて適切な技術を選択し、必要に応じて組み合わせることで、AIの能力を最大限に引き出すことが可能です。

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